名古屋から約1時間半、5万株のあじさいが夜に灯る丘へ
6月の日本って、ちょっと損をしていると思うんです。梅雨だからと、この時期の旅行をなんとなく見送る方が多くて。気持ちはよく分かります。でも実は、私のいちばん好きな愛知の場所が、この一ヶ月だけ特別な顔になるんです。ふだんは静かな温泉地なのに。
名古屋から約1時間半、蒲郡の丘に「形原温泉 あじさいの里」という場所があります。6月のあいだだけ、青や紫やピンクのあじさいが斜面いっぱい——その数およそ5万株——に咲きそろいます。そして私が好きなのはここから。日が暮れると、ライトアップされるんです。

昼間のあじさいもきれいです。でも、やわらかい灯りに浮かぶあじさいを、しっとりした6月の空気と、すぐそばの温泉の気配のなかで眺めるのは、また別格で。お祭りの期間は夜21時まで開いていて(入園は20時半まで)、夕涼みがてら灯りの道をのんびり歩けます。運が良ければ、ゲンジボタルがふわりと舞うのに出会えるかも。水がきれいだからこそ棲んでいて、地元の人はそれをそっと誇りに思っています。ホタルは気まぐれなので約束はできませんが、その「もしかして」も込みの魅力です。

正直なところも少し。2026年のお祭りは6月30日まで。だから今、6月の半ばから下旬は、まさに見頃のど真ん中です。入場料は大人500円、小さなお子さんは無料。アクセスは名古屋から約1時間半——蒲郡まで電車で出て、そこからバスかタクシーで温泉地へ。見頃は天気しだいで前後するので、出かける前にさっと確認していくと安心です。
水辺の夜がよければ、この時期はもうひとつ。以前ご紹介した、岐阜・長良川の鵜飼も今が最盛期で、これも名古屋から気軽に出かけられる夜のお出かけです。同じ6月の夜でも、ぜんぜん違う二つの過ごし方。どちらも、今がいちばんいい季節です。
だから、6月をあきらめないでください。薄手の雨具を持って、夕方ごろに行ってみてください。灯りに包まれたあじさいの丘が、きっと印象を変えてくれます。愛知や岐阜の数日に組み込みたいときは、いつでもご相談を。私たちの地元の、いちばん好きな季節のひとつです。


