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常滑 やきものの町
やきものの町・工芸·愛知・知多半島 常滑

常滑 やきものの町

中部国際空港から数分の、千年つづくやきものの町。古い土管と焼酎瓶で固めた坂道、日本最大の登窯、そして招き猫の通りを見下ろす巨大な陶器の猫。東海でいちばん気軽な、初日や最終日の半日さんぽです。

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空港を出た電車が走りだして数分、ホームの案内表示にマンガの猫が出はじめて、「あ、なんだかユーモアのある町に着いたぞ」と気づきます。ここは常滑、名古屋のすぐ南、知多半島のやきものの町。千年ほどやきものを焼きつづけ、日本の招き猫をいちばんたくさん作っている場所です。中部国際空港からとにかく近いので、この地域でいちばん気軽な半日になります。着いた初日の午後にも、飛ぶ前の最終日にも、すっと組み込める散歩です。

やきもの散歩道

訪れる楽しみの中心は、やきもの散歩道。古い窯の地区を抜けていく、無料の散策路です。王道コースはおよそ1.6km、ゆっくり歩いて1時間ほど。煉瓦の煙突、黒壁の工房、急な小路を縫っていきます。もっと歩きたい人には約4kmの長いコースも。起点は駅から少し歩いた陶磁器会館で、ここでマップをもらえます。

土管坂

常滑にひとつだけ「これぞ」という景色があるとしたら、それが土管坂。坂の両側を、明治の土管と昭和初期の黒い焼酎瓶が、壁いっぱいに段々と埋めつくします。足もとに敷かれているのは「ケサワ」――土管を焼くときに出た半端を、滑らないように敷きつめたもの。工業の余りものが、いつのまにか静かに美しい景色になっている。まさに常滑です。

両側を古い土管と黒い焼酎瓶の壁が固める、細い上り坂。

登窯

さらに進むと、土地が長い煉瓦の傾斜になって丘を上がっていきます。陶榮窯、つまり登窯です。1887年ごろに築かれ、1974年まで火を入れていた、現存する日本最大級の登窯。十本の煙突が斜面を上がっていきます。国の重要有形民俗文化財で、窯口に立てば、熱がひと部屋ずつ上へ昇っていった内部をのぞき込めます。

丘の斜面を段々に上がっていく長い煉瓦の登窯と、空に並ぶ煙突。

猫だらけの町

常滑は、日本じゅうの店先で見かけるあの招き猫を、どこよりもたくさん作っています。そして、それをとことん楽しんでいる。招き猫通りの壁には、地元作家の小さな招き猫がずらりと並び、一匹ずつちがうご利益を授けてくれます。その全体を、上から「とこにゃん」という巨大な猫の顔が見守っている。この地域でも指折りの、かわいい撮影スポットです。

通りを見下ろす巨大な陶器の猫「とこにゃん」。

散歩について正直なところ

ここは本物の坂のある、本物の散歩道です。上り坂、段差、ところどころ凸凹した石畳。歩きやすい靴で、雨の日の土管坂はゆっくりと。真夏の路地はやっぱり暑いので、朝か夕方に回して、小さなカフェやギャラリーを「冷房で一息」の口実にしてください(日本の夏の涼み方は、別の記事にまるごと書きました)。歩くのがいちばん楽なのは、春と秋です。

旅に組み込むなら

常滑は、ぶらぶら見て回るのが似合う町です。赤土の急須、工房から出てきたばかりのマグや器、改装した工房でいただくコーヒー。おみやげはやっぱりやきもの――小ぶりの赤い急須ひとつで、緑茶の味がほんとうに変わります。空港から数分なので初日や最終日にぴったりで、近くのINAXライブミュージアム(タイルとやきものの館)とも組み合わせやすい。フライトの時間を教えてもらえれば、それに合わせて半日を、英語でもベトナム語でも、ご自身のペースで組み立てます。

見どころ

見どころ

土管坂 ― 土管と瓶の坂道

散歩道の象徴。明治の土管と昭和初期の焼酎瓶を壁にびっしり埋め込み、足もとには滑り止めの「ケサワ」を敷いた上り坂。これぞ常滑です。

日本最大の登窯

1887年ごろに築かれ1974年まで火を入れていた陶榮窯は、現存する日本最大級の登窯。十本の煙突が斜面を上がっていきます。国の重要有形民俗文化財で、窯の中をのぞけます。

招き猫の通り

常滑は招き猫の生産量が日本一。招き猫通りの壁には地元作家の招き猫がずらりと並び、上からは高さ約3.8mの巨大な猫「とこにゃん」が見下ろします。

日本六古窯のひとつ

ここでは約千年、やきものが焼かれてきました。日本最古級の窯の町のひとつで、その物語は日本遺産にも認定されています。

赤土の急須

常滑の赤い急須は、鉄分の多い土が緑茶の味をまろやかにすると言われます。小ぶりのひとつは、ちゃんと使えるおみやげに。

おすすめのまわり方

おすすめのまわり方

  1. 1

    陶磁器会館(スタート)

    やきもの散歩道は常滑陶磁器会館から。駅から徒歩5〜10分ほど。ここで散策マップを手に入れて。

  2. 2

    土管坂

    土管と焼酎瓶の壁が続く、名物の上り坂。

  3. 3

    登窯

    煙突が斜面を段々に上がる、現存日本最大の登窯。

  4. 4

    招き猫通り

    駅へ戻る道すがら、招き猫の壁と巨大な「とこにゃん」。

ベストシーズン

ベストシーズン

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月

坂道の散歩がいちばん心地よいのは、空気のやわらかい春と秋。通年で歩けますが、真夏は朝か夕方に回し、カフェやギャラリーで冷房の涼み休憩を。雨上がりの土管坂は滑りやすいので足もとにご注意を。

行き方

  • 中部国際空港(セントレア)名鉄で常滑駅まで約5分。初日や最終日の半日にぴったり。
  • 名鉄名古屋名鉄常滑線・空港線で直通約30分。
  • 常滑駅散歩道の起点・陶磁器会館まで徒歩5〜10分ほど。
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登窯の内部。斜面を一段ずつ上がっていく、煉瓦の焼成室。
鉄分を含む土で焼かれた、釉のかかった常滑焼の碗やカップ。

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