
竹島(蒲郡)
愛知の東、蒲郡の海辺に、森におおわれた小さな島が浮かびます。海の上に架かる長い橋を歩いて渡れる島——竹島です。周囲はわずか七百メートルほど。それでも対岸とはまるでちがう暖地性の照葉樹の森につつまれ、島ぜんたいが国の天然記念物。中心には、日本七弁天のひとつ八百富神社が鎮まります。橋と潮風と常緑の島をめぐる、気軽な三十分の散歩。海にひらけて、拝観は無料です。
訪問を計画する愛知の東、蒲郡の海辺に、森でおおわれた小さな島が岸のすぐ先に浮かんでいます。海の上に架かる長い橋を歩いて渡れる島——竹島です。周囲はわずか七百メートルほど。それでも一世紀近くにわたって国の天然記念物でありつづけ、中心には日本七弁天のひとつが鎮まります。海の上をまっすぐ歩いて聖なる島へ渡る——両側に湾をのぞむこのひとときは、三河の海辺でいちばん気軽で、心に残る三十分です。しかも、お金はかかりません。
海を渡る橋と、南の森
まずは橋そのものが楽しい。長さ約387メートル、いまの橋は1986年(昭和61年)に架けられ、岸から海の上をわたって、約四百メートル先の島へと運んでくれます。渡った先に待つものは、見た目よりふしぎです。歩いて渡れるほど近いのに、竹島の森は暖地性の常緑樹で、対岸には育たない南の植物にあふれています。その数、およそ238種。この特異さゆえに、1930年(昭和5年)、島全体が国の天然記念物に指定されました。歩いて抜けるその小さな森は守られた土地であり、昔のままに保たれた、海に浮かぶ南の森のひとかけらなのです。

八百富神社と竹島弁天
島の中心、木々のあいだの石段をのぼった先に、八百富神社が鎮まります。平安の終わりごろ、歌人として名高い藤原俊成が創建したと伝わり、御祭神は市杵島姫命。古くから弁天さまと重ねられ、開運・安産・縁結びの神として敬われてきました。竹島弁天として知られ、江の島・竹生島・厳島とならぶ日本七弁天のひとつに数えられます。本社のほかにも四つの小さな社が島に点在し、あわせて五社。木々をめぐる小道が島をひとまわりに結びます。正月には初詣の人で橋がうまりますが、ふだんの朝は静かで、木々の下から潮の音が聞こえてきます。

知っておきたいこと
島も橋もいつでも開いていて、拝観は無料。朝早くや夕方に訪れやすく、夏はそれが賢い選びかたです。橋も石段も日かげが少なく、真昼は暑くなります。強い風や高波のときは、安全のため橋が閉まることがあるため、出かける前に天気を見ておくとよいでしょう。竹島は、名古屋から東海道本線で向かうJR蒲郡駅から徒歩約15分。車の場合は海辺に無料の駐車場があります。本土に戻った海沿いには、小さくて愛される水族館や、丘の上の1930年代の蒲郡クラシックホテル。6月には、同じ蒲郡の温泉の丘に咲く形原温泉あじさいの里が、あわせて訪ねるのによく合います。暑い季節の過ごしかたは、中部の夏の暑さとの付き合いかたもどうぞ。
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見どころ
海を渡る橋
岸から島へ、長さ約387メートルの歩道橋がのびています。島は三河湾の沖、約四百メートル先。風と潮のにおいのなか、海の上をまっすぐ歩いて渡ること自体が、この島の楽しみの半分です。
島まるごとが天然記念物
竹島は周囲わずか七百メートルほど。それでもその森は暖地性の常緑樹で、対岸の林とはまるで異なります。約238種の植物が育ち、そのために1930年(昭和5年)、島全体が国の天然記念物に指定されました。海に浮かぶ、南の森のひとかけらです。
八百富神社・竹島弁天
島の中心に鎮まるのが八百富神社。竹島弁天として知られ、江の島・竹生島・厳島とならぶ日本七弁天のひとつに数えられます。御祭神は市杵島姫命。開運・安産・縁結びの神さまとして親しまれてきました。
五つの社と、島めぐりの小道
本社のほかに四つの小さな社が島に点在し、あわせて五社。木々のあいだをめぐる小道が島をひとまわりし、枝のすきまに湾がひらけます。
海にひらけて、無料
島も橋もいつでも開いていて、拝観は無料。朝早くや夕方に訪れやすく、真昼の暑さを避けて水面の光を楽しむのにも向いています。
おすすめのまわり方
- 1
竹島橋
岸から海の上を約四百メートル、緑の島に向かって歩いて渡ります。
- 2
八百富神社
島に渡り、森のなかの石段をのぼって、中心の竹島弁天へ。
- 3
島をひとまわり
木々のあいだをめぐる小道で島を一周。枝のすきまに三河湾を望みながら、橋を戻ります。
- 4
蒲郡の海辺
本土に戻り、海沿いの遊歩道を歩けば、小さな水族館や、丘の上の古い蒲郡クラシックホテルがあります。
ベストシーズン
竹島はどの季節に訪れてもこたえてくれます。森は一年じゅう緑で、正月には初詣の人でにぎわいます。海と光がいちばんよいのは、晩春から夏にかけて。暑い日は朝か夕方に——橋も石段も日かげが少なく、真昼は暑くなります。強い風や高波、台風のときは、安全のため橋が閉まることがあるため、出かける前に天気を確かめてから。
行き方
- JR蒲郡駅(東海道本線)橋まで徒歩約15分。蒲郡駅は名鉄も乗り入れ、名古屋からは東海道本線で向かえます。
- 車海辺に約200台の無料駐車場があり、大型バスも駐車可。詳細は公式でご確認を。
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