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名古屋から行く中部の温泉地めぐり — 有名どころも、静かな穴場も

文: Trip Japan YLP 編集部発行:Trip Japan YLP

目次

こんにちは!

「今度の旅では温泉に入りたいなあ」——そこまでは決まったのに、じゃあどこへ? で、たいてい止まりますよね。だって日本の温泉、数が多すぎるんです。

ガイドブックを開くと箱根や草津ばかり。でもどっちもここからだと遠い…。私たちの拠点は名古屋なんですが、実はこのあたりの温泉、かなりいいんです。しかも江戸時代から全国トップ3に名を連ねている湯まであるんですから! 今日は「中部の温泉、名古屋から行くならここ」を、正直にご案内します。

その前にひとつだけ。もし「入り方やマナーが不安で…」というのが一歩目のハードルになっているなら、先にはじめての温泉マナーの記事をどうぞ。読んでみると案外あっさりしていて、大事なのはたった一つのルールだけなんです。こちらの記事は「どこへ行くか」のお話。

まずは王道、下呂温泉(岐阜)

一か所だけ選ぶなら、やっぱり下呂でしょうか。飛騨の谷あいにある温泉町で、江戸の学者・林羅山が1621年に草津・有馬とならべて書き残して以来、日本三名泉のひとつとされてきました。400年の看板です。

お湯はアルカリ性単純温泉で、つるりとなめらか。町ぐるみで「美人の湯」を名乗っているくらいなんですね。でも下呂の楽しさって、実は立派な旅館に泊まらなくても味わえるところにあると思うんです。町なかに無料の足湯がいくつも点在していて、お店をひやかしながら歩いて、ちょっと座って、裾をまくって10分つかる。それだけでもう気持ちいい。

さらに旅館協同組合が「湯めぐり手形」を出していて、1枚2,500円。加盟旅館のお風呂から3軒を選んで入れて、有効期限は購入から6か月です。ひと晩でぜんぜん違うお湯に3つ入る、なんてこともできてしまう。私はこういうのに弱いです…。

名古屋からはJR特急「ひだ」でおよそ90分、4,500円ほど。同じ列車でそのまま高山まで足をのばすのもいいですね。

1時間で行ける避暑地、湯の山温泉(三重)

もっと近くがいいなら、鈴鹿の山の中、御在所岳の東のふもとに湯の山温泉があります。菰野町の記録では、養老2年(718年)ごろに浄薫和尚が薬師如来のお告げで見つけたと伝わるお湯。傷ついた鹿が湯で癒したという伝説から「鹿の湯」とも呼ばれてきました。2018年に開湯1300年を迎えたそうです。歴史が長い! 泉質はアルカリ性ラジウム泉で、無色透明のやわらかい肌ざわり。昔から美人の湯として親しまれてきました。

ここが日帰りに向いているのは、組み合わせの良さなんです。三滝川の両岸に旅館が並んでいて、その多くが日帰り入浴を受け入れてくれます。そして御在所ロープウェイの乗り場がすぐそこ。涼しい山の上まで上がって、降りてきて、お湯につかる。この流れ、夏はほんとうにごほうびです。秋の紅葉どきはもう、大変な色になります(いい意味で)。

名古屋から近鉄「湯の山温泉」駅までおよそ1時間、そこからバスで10分ほど。

誰も教えてくれない静かな湯、湯谷温泉(愛知)

さて、穴場です。愛知の東のはし、奥三河の湯谷温泉。宇連川が鳳来峡を刻んでいく、その川ぞいにあります。源泉の名は鳳液泉。1300年ほど前に鳳来寺を開いた利修仙人が見つけたと伝えられているお湯で、泉質はナトリウム・カルシウム塩化物温泉。宿は両岸に10軒ほど。

……はい、それで町はぜんぶです。ゲームセンターもなければ人だかりもなく、いい写真を撮るのに順番待ちもしません。あるのは窓の下を流れていく川の音だけ。それでいて東三河の観光協議会は「日本名湯100選」に選ばれていると紹介していて、静かなのにお湯はちゃんと本物、というわけなんです。

行き方はJR飯田線。これがまた、のんびりしていて景色のいい路線でして、しかも「湯谷温泉」という駅がちゃんとあります。泊まらない日帰り派には、公共の日帰り温泉「鳳来ゆ~ゆ~ありいな」が大人620円。おおむね10時から(土日祝と夏休み期間は9時から)で、火曜がお休みです。正直にひとつだけ、温泉街入口の足湯は現在休止中なので、そこをあてにして予定を立てないでくださいね。

ちなみにこのあたり、私たちの奥三河サイクリングで走る道でもあります。乳岩峡まで歩いて登ったあと、最後は温泉で締める一日。汗をかいてから入る温泉に勝るものは、たぶんないです。

二日とれるなら、奥飛騨温泉郷(岐阜)

もっと北、高山を過ぎて山道を上っていくと、平湯・福地・新平湯・栃尾・新穂高という5つの温泉地が集まっています。まとめて奥飛騨温泉郷。標高はだいたい800〜1,300メートル、まわりは北アルプスの3,000メートル級。地元の観光協会によれば、源泉は100を超えて、湧出量は毎分37,000リットルにもなるそうです。

ここはとにかく露天風呂の里です。雪をかぶった山を正面に見ながら、湯けむりが横に流れていく。新穂高ロープウェイもすぐそば。名古屋からの日帰りはさすがに厳しくて、高山まで(JR特急ひだか高速バス)行って、そこから濃飛バスで谷を上がっていく道のりになります。でも、もし一泊できるなら——いちばん記憶に残るのは、たぶんここです。

おまけをひとつ

「午後しか空いていない」という日には、蒲郡の形原温泉という手も。海の近くのやさしい温泉で、6月のあじさいはちょっと圧巻ですよ。

実用のはなしを少しだけ

このあたりの旅館は、たいてい日帰り入浴を受け付けています。料金は数百円から千数百円くらい、時間帯は宿泊のお客さまが出かけている昼間が中心。ただ、小さな町ほど季節で時間が変わりますし、火曜定休のところも多いので、出かける前にその日の営業時間だけは確認していきましょう!

タトゥーがある方は、マナーの記事に選択肢をまとめてあります。ひとことで言うと、貸切風呂を予約してしまえばたいていのところは解決します。

それから、行き帰りは急がない列車で。中部の温泉旅は、車窓に川と山が流れていくあの1時間もふくめて半分の楽しみだと思うんです。どうぞ、いい湯を。

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