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中部の紅葉、いつ行けばいい? 東海の見頃と、日程を決めきらない計画のコツ

文: Trip Japan YLP 編集部発行:Trip Japan YLP

目次

こんにちは!

毎年9月になると思い出す数字があります。

気象庁には「生物季節観測」というお仕事があって、名古屋にも決まったカエデの木をずっと見守っている観測者の方がいるんです。で、「今日、紅葉した」と記録する。予想ではなく、記録です。その日付が、2023年は11月17日。2024年は12月5日。2025年は11月25日でした。

同じ木、同じ街、同じ観測者。それでも3週間近くばらつくんです。

だから「今年の紅葉、何日に行けばいいですか?」と9月に聞かれると、正直に「まだ誰にも分かりません…」とお答えしています。でも、代わりにできることはあります。日にちではなく“幅”で組んで、当たる確率を上げていく。今日はそのやり方のお話です。

紅葉は、山の上から降りてきます

ひとつだけ確実なことがあって、それは進む向きなんです。上から下へ。てっぺんから街までだいたい1か月かけて降りてきます。

三重・鈴鹿山脈の御在所岳は標高1,212m。ロープウエイ会社さんが出している紅葉だよりを見ると、例年10月20日ごろには山上が見頃に入ります。中腹まで降りてくるのが11月中旬。ふもとの湯の山温泉街が色づくのは11月下旬です。同じ山なのに、上と下でひと月ちがう!

その間にあるものは、だいたい標高順にきれいに並びます。木曽谷や、高山・白川郷あたりの飛騨の高原は、例年10月下旬から11月上旬。愛知の山あいのもみじの渓谷は11月中旬〜下旬。そして岐阜の平地の公園がいちばん最後で、11月中旬から12月上旬まで粘ってくれます。

これが地図のぜんぶ、といっていいくらいです。「そもそも何月に行こうかな」という段階でしたら、中部のベストシーズンをまとめた記事で秋を一年の中に置いて比べていますし、季節のページには短いまとめもあります。

5か所を、それぞれの理由で

やっぱり香嵐渓です。豊田市足助の山あいの渓谷で、飯盛山から巴川へ向かって11種類・4,000本以上のカエデが流れ落ちるように色づきます。1600年代にお坊さんが植えはじめたそうで、つまり400年ものあいだ人が通いつづけている場所なんですね。待月橋の赤いアーチの上に真っ赤なもみじ、というあの一枚、たぶんもうどこかで見ていらっしゃると思います。見頃は例年11月中旬から下旬。もみじまつりは近年11月いっぱいで、期間中は日没から21時までライトアップされます。

そこから車で20分ほど山を進んだ小原は、ちょっと不思議なところ。地区内に1万本ともいわれる四季桜があって、春だけでなく秋にも咲くんです。だから11月中旬に立つと、淡いピンクの桜と燃えるような赤いもみじが一枚の画面に同時に入る。理屈では変な光景なんですが、これが本当にきれいなんです。

御在所岳は「早く紅葉を見たい」方へ。山上が10月後半に色づくので、ロープウエイで登っていくと標高とともに季節が変わっていくのが分かります。下は緑、着いた頂上は真っ盛り。「10月に行くから紅葉はもう無理かな…」と諦めかけている方の、答えになる場所です。

馬籠と妻籠は、立ち止まって眺めるのではなく、歩きながら紅葉に包まれたい方に。中山道の宿場町ふたつを結ぶ道は約8km、馬籠峠を越える標高差がだいたい250m。色は例年10月下旬から11月中旬まで持ちます。黒い板壁と白い漆喰に赤いもみじ。いい一日になりますよ。

養老の滝と養老公園は、いちばん遅い、そしていちばんやさしい選択肢です。落差約30mの滝が谷の奥にかかっていて、園内の散策路にはもみじのアーチ。見頃は例年11月中旬から12月上旬なので、ほかが終わったあとでも間に合うのがありがたいところです。

混雑は、本当にあります(でもかわせます)

11月下旬の晴れた日曜の香嵐渓は、それはもう混みます。足助へ入る道も渋滞します。効く手はふたつ。日程が動かせるなら平日にすること、そして朝いちで行くことです。夜明けから1時間くらいの渓谷は、午後2時のそれとはまるで別の場所なんです。

もうひとつは、車をあきらめること。豊田市駅から名鉄バスで香嵐渓まで約40分、名鉄豊田線の浄水駅からならとよたおいでんバスで約60分。列に並んでいるより、たぶん早いです。

御在所はもっとはっきりしていて、2025年は菰野町が10月25日〜11月24日の土日祝の9時〜15時、国道477号側から湯の山かもしか大橋へのマイカー進入を止めました。かわりに臨時駐車場(1台1,000円)とシャトルバスです。今年も同じような運用になるはずなので、車で向かう前に町のお知らせを見ておいてください。

日程とライトアップは、必ず公式で

ここに挙げたどの場所も、それぞれの事情で毎年1〜2週間、日程がずれます。この記事を書いている2026年8月末の時点では、今年の秋のイベント日程はまだ発表されていません。だいたい10月ごろに出てきます。

なので、この記事も含めて、ブログの日付をそのまま信じないでくださいね。香嵐渓なら足助観光協会、御在所ならロープウエイ会社、養老公園なら公園の公式ページ。とくにライトアップの時間は直前に短くなったり延びたりします。

肝心の「見頃そのもの」については、日本気象協会が9月中旬ごろに第1回の紅葉見頃予想を出して、そのあとシーズン中ずっと更新してくれます。9月の宿題はこれ。しかも無料です。

服装の話(ここ、けっこう間違えます)

名古屋の11月は、平年値で日中17℃くらい、明け方で8℃くらい。数字だけ見ると「わりと過ごしやすそう」ですよね。街なかは、実際そうです。

でも山はちがいます! ロープウエイは10分ちょっとで標高1,200mまで連れていってくれるわけで、10月下旬の御在所の山頂の風は、上着のすき間というすき間を探して入ってきます。渓谷も冷たい空気がたまるので、朝9時の日陰の香嵐渓は、名古屋の予報よりずっと寒いです。重ね着と、風を通さない上着。高いところへ行く方、夜のライトアップまで残る方は、手袋もどうぞ。

地元流の組み方は、「標高を予備日にする」

最後に、いちばん効くコツを。

一か所を一日に決め打ちして祈る、というのをやめてみてください。標高のちがう場所をふたつ選んで、どちらもゆるく空けておく。11月上旬にいらっしゃるなら、高いほうは飛騨か木曽谷、低いほうの香嵐渓は一週間あとに温存。逆に月末で山がもう裸なら、まだ粘っている養老や愛知の谷へ降りる。

標高が予備日なんです。平地がまだ青いときはお客さまを山へお連れしますし、山が散ってしまったら川沿いの谷へ降りる。この地域のどこかでは、必ず何かが色づいています。ほんの少し動くのを、いとわなければ。

「そもそも中部・東海ってどこ?」という方には東海地方の県をまとめた記事がありますし、高原側の足の話は高山のガイドにまとめてあります。

できれば11月に。上着を一枚多めに。そして一日だけ、予定を空けたままにしておいてください。

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